「投資の元本と含み益で、これからの資産の増え方に違いが出るのだろうか?」
このような疑問を持っている方は多いのではないでしょうか。
特に投資初心者の方は、「元本」や「含み益」という言葉に疑問を持ちやすく、資産運用の増え方にどんな影響があるのか気になりますよね。
この記事では元本1,000万円の場合と、元本500万円+含み益500万円の場合の具体例をもとに、どちらの方がより資産が増えやすいのか、また下落時の違いなども分かりやすく解説します。
投資の元本と含み益、それぞれの増え方に違いはある?
結論から言うと、投資の元本と含み益の内訳が違っても、今後の資産の増え方には違いがありません。
理由は、投資の増え方(リターン)は「いま保有している合計資産額」に対して決まるからです。
元本がいくらか、含み益がいくらかという区別よりも、「いま投資している全体の金額」に注目することが大切です。
具体例で分かりやすく解説
たとえば、Aさんは1,000万円を一括で投資した場合、Bさんは500万円を投資して値上がりにより含み益が500万円出た場合――
どちらも現時点で1,000万円の資産を保有しているとします。
- Aさん:投資元本1,000万円
- Bさん:投資元本500万円+含み益500万円
2人が同じ投資商品を継続して保有していた場合、たとえば1年後に10%値上がりすれば、どちらも1,100万円になります。
【10%値上がり】
- Aさん:投資元本1,000万円+含み益100万円=1,100万円
- Bさん:投資元本500万円+含み益600万円=1,100万円
逆に10%値下がりすれば、どちらも900万円になります。
【10%値下がり】
- Aさん:投資元本1,000万円-含み損100万円=900万円
- Bさん:投資元本500万円+含み益400万円=900万円
つまり、「いまの合計資産額」が基準となるため、元本や含み益の内訳に関係なく、増減する金額は同じです。
投資初心者も経験者も誤解しやすい「元本だけが動く」イメージ
投資初心者はもちろん、経験者でさえ「投資元本だけが値動きに影響している」と思いがちです。
実際、ボク自身も最初は投資商品の値動きに関係するのは投資元本だけだと思い込んでいました。
しかし実際には、含み益も「自分の資産」の一部であり、投資の増え方に関して元本も含み益も区別はありません。
投資の増え方や減り方は、いま投資している全資産が基準となります。
資産形成で「着実に、簡単」なのがインデックス投資
ここまで解説してきたとおり、投資の元本や含み益に関わらず、「いまの資産全体」が増え方の基準になるという考え方は、長期的な資産形成においてとても重要です。
「着実に、そして簡単に」資産形成をしたい人にとって、最適なのがインデックス投資です。
インデックス投資とは、日経平均株価やS&P500など、市場全体の値動きを示す“指数(インデックス)”に連動する投資信託やETFに投資する方法を指します。
市場全体の成長をまるごと享受できるため、個別株のように大きなリスクを取らず、安定的に資産を増やしていけるのが大きな特徴です。
【なぜインデックス投資が資産形成に最適なのか?】
- 市場全体に分散投資できるため、リスクが抑えられる
- 長期的には右肩上がりの成長が期待できる
- 運用コストが低い
- 銘柄分析などの難しい作業が必要ない
- 一度投資したら、あとは「いまの資産全体」を増やすことに専念できる
- 複利効果が最大限に活かせる
投資元本と含み益の内訳に一喜一憂せず、コツコツと積み立てていくことで複利の効果も発揮され、「いまの資産全体」が効率的に増えていきます。


まとめ:投資元本も含み益も「いまの資産」全体が増え方の基準
これまでの運用で元本と含み益に分かれていても、投資の増え方や減り方は、「いま投資している資産の合計金額」によって決まります。
「いまの自分の資産全体がこれから増減していく」という視点を持つことで、より安心して投資を続けられます。
今後も、投資元本や含み益にこだわりすぎず、資産全体の増え方に注目して運用していきましょう。
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