2025年4月現在、米国トランプ大統領による関税政策で株式相場は大荒れです。
先の見えない相場に恐怖を感じますが、株価はどこまで下げるのでしょうか?
この記事では以下の2つについて解説していきます。
- 株式相場の暴落の底を知らせる3つの指標を紹介
- トランプショックによる株価はどこまで下落するか?
株式相場の暴落の底を知らせる3つの指標
株式相場の底値を探るための指標は以下の3つです。
- VIX(恐怖指数)
- 日経平均株価のPBR(株価純資産倍率)
- 信用評価損益率(信用買いの損益率)
VIX指数(恐怖指数)
VIX指数(読み方:ヴィックス指数)は、株式市場における「恐怖指数」とも呼ばれます。
S&P500指数に連動するオプションの価格を元に計算され、市場の不安・ボラティリティ(価格変動)の高まりを数値化したものです。
- VIX指数が高い=投資家の恐怖・不安が増している
- VIX指数が低い=市場が安定していると見られている
VIX指数の値が20以下なら市場は安定していると見られ、20以上になると警戒感が出てきます。
下の表はVIX指数の数値ごとの状態を評価したものです。
VIXの数値 | 市場の状態 | 解説 |
---|---|---|
~20 | 安定 | 楽観・通常モード |
20~30 | 警戒 | 調整が近い可能性あり |
30〜40 | パニック | 急落の進行中 |
40以上 | 極度の恐怖 | 底打ちが近づいている可能性大(ただし反転までは数日〜数週間のラグあり) |
S&P500のチャートとVIX指数を比較したら、VIX指数の高まりと株価の暴落は連動しているのが分かります。

VIX指数が40を超えるような市場は異常事態ですが、その後は落ち着きを取り戻し株価は回復しているので、冷静に行動することが大切です。
- VIXが40を超える場面は、いずれも「恐怖のピーク」。
- 多くの場合、そのあとにS&P500が底打ちし、反発が始まる兆し
日経平均株価のPBR(株価純資産倍率)
PBR(ピー・ビー・アール)は、株式投資でよく使われる「株価純資産倍率(Price Book-value Ratio)」の略です。
企業の純資産(簿価)と株価の関係を表す指標で、「この企業の株は割安か?割高か?」を判断する材料の一つになります。
【PBRの計算式】
PBR=株価÷1株あたり純資産(BPS)
日本の代表的な株価指数である日経平均株価にもPBRがあり、過去の暴落時ではPBR0.8倍を下回ったことはありません。
リーマンショックとコロナショックのときは、どちらも日経平均株価PBRは0.81倍で踏みとどまりました。
このことから、将来大きな暴落が発生しても、日経平均株価はPBR0.8付近が底値と見当をつけることができます。
日経平均株価のPBRは下に貼ったリンクから確認できます。
日経平均株価が0.8倍を割ったことが無いという事実と指標は、書籍「半オートモードで月に23.5万円が入ってくる「超配当」株投資」で紹介されていました。
日経平均株価のPBRは、あの100年に一度といわれたリーマンショックの時でさえも0.8倍を下回っていません。 つまり、株価が下がり続けてもPBRは0.8倍付近が概ねの底値だろうと見当をつけ、対処することができるということ。
引用:半オートモードで月に23.5万円が入ってくる「超配当」株投資
信用評価損益率(信用買いの損益率)
信用評価損益率(信用買いの損益率)は、信用取引をしている投資家の含み損益の平均的な状況を示す指標です。
【信用取引】
証券会社からお金や株を借りて行う株取引のこと。
レバレッジがかかる分、儲けも損も大きい。
一般的に6ヶ月以内に決済が必要。
信用評価損益率が-20%に近づくと底入れが近いとされています。
理由は、損益率が-20%に近づくと信用買い勢の含み損が拡大し、追証(追加証拠金)の発生が増加するので、投げ売りが増えるからです。
信用評価損益率は書籍「月41万円の“不労所得”をもらう億リーマンが教える 「爆配当」株投資」で紹介されていました。
市場全体が急落したときの買いの目途は、信用評価損益率を参考にするとよいでしょう。
(中略)
信用評価損益率が▼15%を下回る水準で買いの準備をはじめ、▼20%を下回るタイミングで、精神的な余裕を持ちつつ、少しずつ逆張りで買いを入れてもよいでしょう。
引用:月41万円の“不労所得”をもらう億リーマンが教える 「爆配当」株投資
信用評価損益率を確認するには、松井証券が見やすいです。
他では信用評価損益率を翌週に公表するので公表された時と現在でラグがありますが、松井証券なら毎日公表されているので情報にラグがありません。
松井証券で信用評価損益率を確認するには、口座開設が必要です。
トランプショックによる株価はどこまで下落するか?
株価暴落の底値を予測することは難しいですが、過去と現在の相場を照らし合わせて「ここまで下げるかも?」といった想定はできます。
今回は紹介した3つの指標の内、VIX指数(恐怖指数)と日経平均株価のPBRの2つを使って、S&P500と日経平均株価のトランプショックによる底値を探っていきます。
松井証券が公表している信用評価損益率は、口座開設をした会員限定で公開されている情報なので、情報の公開ができない都合上、予測には使わず紹介だけにします。
VIX指数(恐怖指数)によるS&P500の底値想定
現在(25/4/5)のVIX指数は45.30と、相場はすでに極度の恐怖状態です。
しかし、今回の暴落は先が見通せず、VIX指数がさらに上昇するかもしれません。
現時点(25/4/5)のS&P500の株価は$5,074.09であり、最高値(25/2/19)の$6,147.43から-17.46%の下落率となっています。
仮に、今回の暴落がリーマンショックやコロナショック級ならば、VIX指数は80以上、株価下落率は30%~55%は覚悟する必要があります。

最高値である$6,147.43から30%~55%下落すると、最悪を想定した株価レンジは$4,303.20(-30%)~$2,766.34(-55%)です。

下落率-55%まで下げれば2020年のコロナショック時の株価まで逆戻りですが、本当にそこまで下げるかは疑問があります。(絶対無いとも言い切れませんが)
それでも2022年~23年の株価水準まで下げる覚悟はしておいた方がいいでしょう。
日経平均株価のPBRによる日経平均株価の底値想定
4/5時点の日経平均株価のPBRは1.25です。
日経平均株価のPBRは過去最低値が0.81なので、今回の暴落がリーマンショックやコロナショック級なら、まだ下げる余地があります。
今後、下がるかもしれないPBRの水準まで暴落したときの株価を計算してみます。
PBR(株価純資産倍率)=株価÷BPS(1株当たり純資産)なので、株価=BPS×PBRで計算ができます。
直近2ヶ月分(4/4~2/7)のBPSの最大値~最小値は 27,897.08~ 26,580.27でした。
以下の表はBPSの最大値~最小値における、PBRが1倍および0.8倍となる理論株価です。
PBR倍率 | 日経平均株価(理論値) |
---|---|
1.0倍 | 27,897.08 円~26,580.27 円 |
0.8倍 | 22,317.66 円~21,264.22 円 |
現在(25/4/5)の日経平均株価は33,780.36円なので、現在株価からまだ17%~37%程の下落余地があることになります。

実際にコロナショック時の日経平均株価最大下落率が32.1%なので、PBR1.0倍までは十分に下げる可能性がある水準です。
まとめ:株価暴落でも冷静に投資を続ける
株価暴落時の投資判断にはVIX指数(恐怖指数)、日経平均株価のPBR、信用評価損益率の3つの指標が参考になります。
- VIS指数:40以上で極度の恐怖状態。底打ちの可能性も上がる
- 日経平均株価のPBR:過去の暴落時でもPBRは0.81倍以下は無い
- 信用評価損益率:-20%に近づくと底入れが近いとされる
ただし、これらの指標は参考値であり、実際の相場がどこまで下がるかを正確に予測することは難しいです。
大切なのは、これらの指標を参考にしながら、冷静な判断で投資を継続すること。
当ブログでも株価は回復すると信じて、インデックス投資への積立投資と、このタイミングで割安になった高配当株への投資を続けていきます。
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