全世界株式(オール・カントリー、以後オルカン)は、S&P500に利回りで負けています。
オルカンに投資している人は不安に感じるかもしれませんが、気にする必要はありません。
オルカンがS&P500より利回りが低くても問題ない理由は2つです。
- オルカンの利回りがS&P500を下回るのは想定内
- オルカンで十分な資産形成が可能
この記事ではこの2つの理由について解説していきます。
オルカンの利回りがS&P500を下回るのは想定内
下の表は三菱UFJが運用しているeMAXIS Slimシリーズの投資信託における、全世界株式(オールカントリー)とS&P500の2020年から2024年までの年次利回りです。
2020年から2024年の5年間において、2022年の下落時期を除き、オルカンのパフォーマンスはS&P500を下回っています。
しかし、これはオルカンへの投資を選んだ人にとって、想定内の結果だったはずです。
S&P500に対する直近のパフォーマンスの差を理解した上で、オルカンへの投資を選んだ理由は、以下の2点を重視したからではないでしょうか。
- 将来(20年~30年以降)、アメリカが経済的優位性を保ち続ける保証がないこと
- 全世界の株式に分散投資できること
つまり、アメリカ経済の不調に備えて、分散投資効果の高いオルカンを選択したわけです。
短期的なパフォーマンスの差は気にする必要はありません。
今後アメリカの経済成長が鈍化し、他国が台頭してきた場合でも、オルカンは自動的にリバランスを行い、平均点を取り続けてくれます。
仮に今後もアメリカの優位性が続き、S&P500にパフォーマンスで下回り続けても心配ありません。
オルカンへの長期投資で、十分な資産形成が実現できるからです。
オルカンで十分な資産形成が可能
オルカンが連動する指数、MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス (ACWI) の円ベースでの30年間の年率平均リターンは+9.8%です。
オルカンの年率平均リターンが9.8%で一定と仮定すると、30歳から65歳までの35年間、毎月1万円を積み立てた場合、投資元本420万円は32,688,597円(約2,840万円の増加、利回り約676%)に成長する計算になります。
月々1万円の積み立てであっても、長期の運用期間を確保すれば、通常の給与所得だけでは得られないリターンを実現できます。
この積み立て投資で増えた約3,260万円を65歳から100歳までの老後資金として運用しながら取り崩す場合、単純計算で毎月25万円の取り崩しが可能となり、総額は1億円を超えることになります。
オルカンでこれだけのリターンが得られるなら、それで十分ではないでしょうか。
将来も同様のリターンが得られる保証はありませんが、十分期待できると思います。
オルカンで十分な資産形成が可能であり、さらにアメリカ経済の下降リスクにも対応できることを考えると、オルカンへの投資がベターな選択だと考えます。
最後に:オルカンへの投資は誰でも簡単に平均点が取れる投資
オルカンがS&P500より利回りが低くても問題ない理由を2つ、当ブログの考えを解説してきました。
- オルカンの利回りがS&P500を下回るのは想定内
- オルカンで十分な資産形成が可能
オルカンへの投資は、誰でも簡単に世界の経済成長の平均点が取れる投資です。
資産が一番大きくなる投資ではありませんが、資本主義が崩壊しない限り、将来の経済的な安定を高い確率で実現できます。
短期的な利回りにとらわれることなく、着実に投資を続けていきましょう。
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