当ブログでは新NISA成長投資枠240万円分を使って、東証に上場している米国長期国債ETF「2255(iシェアーズ 米国債20年超)」に投資しています。
今回は米国長期国債ETFに投資した理由と、他の米国長期国債ETF「TLT」「2621」と比べて、なぜ「2255」を選んだかをお話しします。
米国長期国債ETFとは
米国長期国債ETFとは、主にアメリカの長期国債に投資するETFです。
普通に国債を買うと、決まった償還期限(元本と利息が戻るまでの期間)保有しなければなりません。
中途解約もできますが、その場合は元本割れの可能性があります。
しかし、ETF化された国債は株のようにいつでも売買可能です。だから、安いときに買って、高くなったら売ることができます。
米国長期国債ETFに投資した理由
当ブログが米国長期国債ETFに投資した理由は3つです。
- 債券相場全体が歴史的安値であり、今後の値上がりが期待できる
- 定期的な配当金(インカムゲイン)が入る
- 株式のリスクヘッジ(暴落対策)になる
債券価格が歴史的安値であり、今後の値上がりが期待できる
コロナ禍明けの金利上昇により、いま債券価格は歴史的安値です。
金利が上がると債券価格は下がり、逆に金利が下がると債券価格は上がる関係性にあります。
代表的な米国長期国債ETFであるTLT(iシェアーズ 米国国債 20年超 ETF)のチャートを確認すると、コロナの影響で金利が下がったときに債券価格が上がっています。
逆にコロナ禍明けによる政策金利上昇で、債券価格が下がっていることが分かります。
2024年現在、TLTの価格は上場以来の最安値に近い水準まで下がっています。
政策金利の上昇は頭打ちとなっており、いつ利下げするかを見ている状況です。
実際に利下げが始まれば債券価格の上昇が見込めるので、いまの安値で仕込めれば結構な値上がり益が期待できると思いました。
定期的な配当金(インカムゲイン)が入る
国債への投資は、定期的に配当金がもらえます。
例えば、TLT(iシェアーズ 米国国債 20年超 ETF)は毎月、当ブログで実際に投資してる2255(iシェアーズ 米国債20年超)は年4回配当金がもらえます。
株式の積立投資に余ったお金を銀行に眠らせておくのは損なので、国債に投資しました。
分配金履歴
2024年:52,532円
受取日 | 分配金額 | 口数 |
2024/5/20 | 13,704円 | 11,420 |
2024/8/19 | 18,272円 | 11,420 |
2024/11/19 | 20,556円 | 11,420 |
株式のリスクヘッジ(暴落対策)になる
株式と債券の価格は、一方が下がるともう一方が上がる傾向があります。
直近では、2020年初めのコロナ禍で株価が急落したとき、米国長期国債(TLT)の価格は上昇しました。
株が調子いいときは株式市場にお金が流れて債券投資しなくなるからですが、逆に株が下がれば安全な資産として債券が買われ、債券価格が上がります。
特に債券の中でも国債は、その傾向が強いです。
当ブログでは毎月10万円、年間120万を新NISAでオルカン積み立てていますが、株式が下がったときの損失を減らすために債券に投資しています。
TLT(iシェアーズ 米国国債 20年超 ETF)と2255(iシェアーズ 米国債20年超)を比べてみた
TLT(iシェアーズ 米国国債 20年超 ETF)は、アメリカのナスダック証券取引所で取引される海外ETFです。
対して、2255(iシェアーズ 米国債20年超)はTLTの日本国内版で、東京証券取引所で取引される国内ETFです。
投資対象が同じなので値動きは似ていますが、海外ETFと国内ETFでは違いがあります。
下の表はTLTと2255を比べたものです。
TLTは経費が0.04%安く、配当利回りも24/6/2の計算時点で1%以上高いです。
毎月配当金が入るので、現金収入を増やしたい人にとってはTLTが良いでしょう。
【2255と比べてTLTのメリット】
- 経費が安い(0.04%)
- 配当利回りが高い
- 配当金が毎月ある
それでも、当ブログでは2255(iシェアーズ 米国債20年超)に投資しました。
理由は2255が円で投資できる国内ETFで、新NISA(成長投資枠)に対応しているからです。
これにより2255はTLTより手間がかからず、低コストに投資できます。
【TLTと比べて2255のメリット】
- 円で投資できる国内上場ETF=低コストで手間がかからない
- 新NISA(成長投資枠)に対応している
海外ETFは取引国の通貨に円を両替しなければならず、手間と手数料がかかります。
最近はドルへの両替は手数料無料のネット証券も増えましたが、それでもスプレッド(両替時の売値と買値の差)は必ずあるので、これが実質的なコストです。
他に大きなコストは税金ですが、2255は新NISAの成長投資枠に対応しているので、新NISAで取引すれば年4回の配当金と将来の売却益にかかる税金は0です。
新NISAでの取引は売買手数料もかかりません。
外国資産に投資すると、配当金にはその国の税金が課せられますが、国内上場ETFの場合は「2重課税調整制度」により、外国での徴税分が自動的に調整された状態で配当金が支払われます。
参考リンク:日本証券業協会
TLTは現在新NISAに対応していないので、毎月の配当金と将来の売却益に20.315%の税金がかかります。
これはTLTが2255に対して、パフォーマンスに20.315%のハンデがあるということです。
TLTの配当利回りが2255より1%以上高くても、この差を埋めるのは難しいと思います。
さらに、TLTは海外ETFなので、アメリカの税金もかかります。
確定申告をすれば外国税は取り戻せますが、単純に手間です。
手間なく低コストで運用するなら、TLTよりも2255がいいと結論づけたので、当ブログでは2255に投資しました。
2255(iシェアーズ 米国債20年超)と2621(米国債20年超 ETF(為替ヘッジあり))を比べてみた
東京証券取引所で取引できるTLT(iシェアーズ 米国国債 20年超 ETF)をベースにした国内ETFが、2255(iシェアーズ 米国債20年超)の他に、もう一つあります。
それが2621(米国債20年超 ETF(為替ヘッジあり))です。
両方とも円で取引できる国内ETFで、どちらも新NISA(成長投資枠)に対応しています。
配当金に関しては、現在(24/6/2時点)2621の方が高いですが、2255の運用期間が長くなれば追いついてくると思っています。
名前の通り、2つの違いは為替ヘッジがあるかないかです。
円で取引できても投資対象がアメリカの長期国債なので、保有している資産自体はドルです。
パフォーマンスはドル/円のレートの影響を受けます。
ドル/円のレートが円高になれば為替ヘッジで為替変動の影響を回避できる2621が得をし、円安になればドルの価値が上がるので2255のパフォーマンスが高くなります。
- ドル/円レート円高時:為替ヘッジのある2621がプラス
- ドル円レート円安時:円安の恩恵を受けられる2255がプラス
2255と2621どちらに投資するかは「円がこれから円安になるか円高になるかの賭け」ですが、当ブログではドル/円に限らず円自体が長期的な円安トレンドであり、まだ続くと考えています。
現在(24/6/2)時点のドル/円の週足チャートを見ると、実際にドル/円は円安トレンドです。
日銀が2024年3月に長く続いたマイナス金利を解除したので、円高に動くかとも思いましたが、全然そうはならず円安に動き続けています。
2024年5月31日に財務省が4、5月に総額9.7兆円の為替介入をしたと発表しましたが、その後でもジワジワと円安に動いています。
日本が大きく利上げするか、アメリカが大きく利下げすれば円高に動きそうですが、現状どちらの国もそういう動きは無いです。
ドル/円のレートは160円を超えてさらに上げる可能性もあり、下げても数年は140円以下まで下げないと考えています。
もう一つの2621に投資しない理由は、為替ヘッジのコストです。
為替ヘッジにはコストがかかり、それはパフォーマンスに影響します。
長期投資になると、このマイナスの影響がさらに大きくなります。
まだまだ円安トレンドは続き、為替ヘッジのコストをかけないために、当ブログでは2621ではなく2255を選びました。
しかし、どうしても為替で損したくないという人は、為替ヘッジのある2621を選ぶのも良いでしょう。
2621(米国債20年超 ETF(為替ヘッジあり))でなく、2255(iシェアーズ 米国債20年超)を選んだ理由
- 円全体が円安の傾向であり、長期的にまだ続くと考えている⇒円安は2255にとってプラス
- 為替ヘッジにはコストがかかり、パフォーマンスにマイナスの影響がある
※どうしても為替変動の影響を回避したいなら、2621に投資するのはあり。
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