資産を「増やす」方法についての本は多くありますが、「使う」方法についての本は少ないです。
実は、資産を上手に使うことは、増やすよりもはるかに難しいです。
この記事では、以下の2点について詳しく解説します。
- 資産を「使う」ことが難しい理由
- 資産を「使う」ことについて書かれた本3選
資産を「使う」ことが難しい理由
資産を「使う」ことが難しい理由は、不確実性の高い将来への不安であり、または「もっと増やせるはず」といった投資への際限なき期待です。
【不安】
- 減り続ける資産を見るのが怖い
- 長生きし過ぎて、お金が足りなくなったら困る
- リタイア後に相場が暴落したらどうしよう
【期待】
- もっと増やせるはず、今使うのはもったいない
- 切りのいい数字までは増やそう
しかし、資産形成をがんばった理由は将来使えるお金を増やすためだったはずです。
いつまでも資産を使えずに増やし続けることは、いまを生きる時間を無駄にしています。
死ぬときに資産が最大になっていても意味がありません。
資産を「使う」ことについて書かれた本3選
資産を「使う」ことについて書かれた本について、この記事で3つ紹介します。
- 増やした資産の具体的な使い方教えてくれる本
「100年生きても大丈夫!つみたて投資の終わり方」 - お金を使うマインドを教えてくれるベストセラー本
「DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール 」 - がんで亡くなった経済評論家が遺した1冊
「がんになってわかったお金と人生の本質」
100年生きても大丈夫!つみたて投資の終わり方
増やした資産を使うために、具体的な方法論を知りたい人向けの一冊。
多くの人は、新NISA制度を使ったインデックス投資による積み立て投資で老後資金を作ることを考えていると思いますが、本書でもインデックス投資を推奨していて、老後の資産の取り崩し方が書かれています。
一部本書の内容を取り上げます。
- 持つべき資産は一本化しスリムにする
- 資産の取り崩しは「定額」でなく「定率」
- リスク資産だけでなく、現金といった安定資産も合算した総資産からバランスが50:50になるように取り崩す
お金の使い方は個別的で絶対の正解はありませんが、多くの人に当てはまる資産の取り崩し方がこの本で知れます。
DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール
本書は「ゼロで死ぬ」を目的とし、増やした資産を使い切るためのマインドについて解説されています。
お金を使うことについて不安な人が多いのか、売上は2024年ビジネス単行本部門の「年間ベストセラー」ベスト10に入るほどです。
本書の中で特に印象的だった点を紹介します。
- 人生の目的は富の最大化でなく、経験(喜び)を最大化すること
- 金の価値は加齢とともに低下していく。適切な時に惜しみなく金を使うこと
- 「思い出の配当」を積み上げること
アメリカで出版された本なので、日本の事情にそぐわない部分も一部ありますが、資産を使うことに不安を感じている人が、その不安が人生の豊かさを損なっているという気づきを与えてくれる一冊です。
がんになってわかったお金と人生の本質
著者の山崎 元さんは経済評論家として活動され、22年夏に食道がんを告知され闘病されていましたが、24年1月に亡くなられました。
本書は闘病中も精力的に活動され、執筆された本の内の1冊です。
本の内容は「がんになって著者が大切だと感じたこと」について。
余命宣告を受けてからも、評論家としてお金やお金以上に大切なことについて、自分の考えを発信されてきた著者の言葉には説得力があります。
著者は先に紹介した「DIE WITH ZERO」も読んだようで、内容の多くに共感しながらも、アメリカ向けに書かれ日本の事情にそぐわない部分を、日本に置き換えた場合の著者の考えと一例を示してくれています。
最後に:お金は使ってこそ価値がある
個人的にお金の使い方について勉強したのは、老後にどれだけのお金があれば生きていけるかを知りたかったからです。
老後資金さえ確保できれば、残りの稼いだお金はある程度、自由に使えます。
やはり、お金は使って初めて価値があると思うので、当ブログでも資産形成について発信しながら、投資を続けていきます。
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