2025年4月3日、東証版DGROである【2014】を売却しました。
この記事では、売却に至った理由と今後の投資方針についてまとめています。
東証版DGRO【2014】とは?特徴と基本情報をわかりやすく解説
- 設定日:2024年1月17日
- 純資産額:73.18億円(2025/4/18時点)
- 信託報酬:年0.121%程度
- 分配金利回り:1.78%(過去12ヶ月分)
- 対象指数:モーニングスター米国配当グロース指数
- 分配回数:年4回(決算日2月、5月、8月、11月の各9日)
【2014】の正式名称は「iシェアーズ 米国連続増配株ETF」。
通称「東証版DGRO」と呼ばれ、米国ETFのDGRO(iシェアーズ・コア配当グロースETF)と同じ指数(モーニングスター米国配当グロース指数)に連動します。
モーニングスター米国配当グロース指数のルールとは?
- 過去5年以上連続増配している企業を対象
- 配当性向75%未満の企業
- 配当利回り上位10%の企業を除外
安定した増配を続ける企業に厳選投資し、将来的な増配と値上がり益を両立させる設計です。
連動対象指数の詳細はこちら
DGROのパフォーマンス
- 値上がり益(2014年6月〜2025年4月18日):+134.76%
- 平均分配金利回り(過去5年):2.43%
- 平均増配率(過去5年):8.35%
東証版DGRO【2014】の売却理由
東証版DGRO【2014】を売却した理由は、指数構成と実態のズレに違和感が生まれたのと、投資方針の変更による利回りの物足りなさからです。
DGROの銘柄構成の違和感
DGROが連動を目指しているモーニングスター米国配当グロース指数は、配当性向75%未満の企業を除外するように設計されているはずです。
しかし、【2014】に投資したときに除外されるだろうと思っていた高配当性向企業が構成銘柄に残っているどころか、投資時点では入っていなかった、配当性向78.84%のコカ・コーラ社が新たに上位10銘柄に入っています。

- コカ・コーラ(KO):配当性向78.84%
- ジョンソン&ジョンソン(JNJ):配当性向 78.83%
- アッヴィ(ABBV):配当性向 260.68%
- ブロードコム(AVGO):配当性向 172.67%
一方で、健全な財務内容のシェブロン(CVX)が除外されていました。(配当性向67.22%、38年連続増配)。
対象指数の条件である「配当利回り上位10%除外」の基準に当てはまったためと推測されますが、シェブロンは配当利回りが5%あり、DGROの利回りを担保してくれる銘柄の一つです。
そのシェブロンを外し、配当性向が指数の構成条件である75%を超える、特に配当性向100%を超えるような銘柄を残しておくことに違和感を持ちました。
【配当性向が100%を超える場合】
企業は純利益を超えて配当金を支払っていることを意味し、将来的な減配リスクが高まる。
高配当ETFとしての魅力は十分か?シミュレーションで比較検証
DGROの過去5年平均分配金利回りは2.43%(25年4月時点)。
高い増配率(8.35%)は魅力ですが、大和アセットマネジメントが提供している連続増配株シミュレータ―でシミュレーションをすると、利回り3%超えまでに4年、4%までに8年かかります。

その間にも高配当・高増配の銘柄は他に存在します。
当ブログでは「いまの生活を豊かにするための高配当投資」として、One ETF 高配当日本株【1494】に投資中です。
- 利回り(過去5年平均):3.65%
- 平均増配率(過去5年平均):14.18%
【1494】をDGROと同じようにシミュレーションすると、4年目では5.4%、8年目には9.2%とDGROを大きく上回りました。

銘柄 | 平均増配率 | 過去5年平均分配金利回り (25年4月時点) | 投資4年目 | 投資8年目 |
---|---|---|---|---|
DGRO | 8.35% | 2.43% | 3.1% | 4.3% |
1494 | 14.18% | 3.65% | 5.4% | 9.2% |
当ブログでは、最初インデックス投資に全振りでしたが、途中からいまの生活を豊かにするために投資の一部を高配当株投資に振り分けています。
DGROと【1494】を比較したとき、値上がり益を含めた将来的なトータルリターンではDGROの方が上になるかもしれません。
しかし、配当金(分配金)という形で自由に使えるお金が増えるのは【1494】の方です。
「老後資金を確保した上で、いまの生活を豊かにしたい」という、現在の投資方針からDGRO、その東証版である【2014】は合わなくなったので、売却することにしました。
まとめ:高配当ETFへ方針転換!大切なのは“自分の投資目的”を明確にすること
- DGROは値上がり益と増配で高いトータルリターンを狙える優良ETF
- しかし、DGROの構成銘柄に疑問が生まれた
- 投資方針の変更もあり、東証版DGRO【2014】は売却
今回は売却という結果にはなりましたが、DGROは値上がり益と増配によって高いトータルリターンが狙える優良ETFであることは間違いありません。
実際にボク自身も、当初はトータルリターンを重視して東証版DGROである【2014】に投資しました。
しかし、指数のルールとそれに対する実際の運用との違和感、そして「いまの生活を豊かにしたい」という投資目的の変化から、今回は【2014】を売却するという決断をしました。
ここで改めて強調したいのは、「どの銘柄が良いか」よりも、「自分が何のために投資するのか」を明確にしておくことの大切さです。
たとえば——
- 20代で時間を味方にできる人には、インデックス投資で資産形成を狙うのが有効。
- 60代で投資期間が限られる人には、債券などの値動きが穏やかでインカムが得られる資産の方が向いている。
今後もボクは、「NISAやiDeCoでのインデックス投資を軸にしつつ、生活を豊かにするための高配当+増配型のETF・個別株への投資」を組み合わせ、自分にとって最適なポートフォリオを模索し続けるつもりです。
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