米国高配当株ETFのSCHD(シュワブ 米国配当株式ETF)は、高い増配率と成長性で人気を集めています。
しかし、海外ETF投資では「為替リスク」を無視することはできません。
この記事では、SCHDに日本円で上場来から長期投資できた場合と、もしも極端な円高が発生した場合にパフォーマンスがどう変わるか、シミュレーション結果からわかりやすく解説します。
SCHDの基本情報と魅力
- 上場日:2011年10月20日
- 対象指数:ダウ・ジョーンズUSディビデンド100インデックス
- 組入銘柄数:100銘柄
- 分配金利回り(過去5年平均):3.52%
- 分配回数:年4回
SCHDが連動する指数は、連続増配10年以上の米国優良企業から選定され、企業規模や流動性、配当利回り、財務健全性も重視されています。
つまり「高配当の安定性・増配期待・財務健全性」を兼ね備えた米国株ETFです。
当ブログでは、SCHDを投資対象とする「SBI・SCHD」に投資しています。
SCHDの運用成績シミュレーション
SCHDに上場時から投資できていた場合と、ドル円レートが円高トレンドになっていた場合のシミュレーションをしていきます。
シミュレーションはTradingView(トレーディングビュー)でデータをそろえて、ChatGPTに分析をお願いしました。
SCHDに上場時から投資できていた場合のトータルリターン
SCHDは2011年10月20日に米国で上場し、すでに10年以上の運用実績があります。
もし上場日に100万円を投資していたら、どれほどのリターンになったのでしょうか?
今回は分配金は都度円転、再投資なしでシミュレーションしています。
【シミュレーション条件】
- 上場日(2011/10/20)終値:5.47ドル
- 当日ドル円レート:76.76円
- 100万円をドル転→約13,030ドル
- 購入できたSCHD株数:2,383株
【2025年6月17日時点の成績】
- SCHD終値:26.72ドル
- ドル円終値:145.25円
- 最終評価額(ドル換算):63,675.59ドル
- 最終評価額(円換算):9,249,071円
【円建てトータルリターン(2011/10/20〜2025/6/17)】
項目 | 金額 |
---|---|
初期投資額 | 1,000,000円 |
保有株数 | 2,383株 |
配当累計(円換算・都度円転) | 2,237,141円 |
最終評価額(円換算) | 9,249,071円 |
トータルリターン(円換算) | 11,486,211円 |
13年半の投資期間で投資額の約11.5倍という、圧倒的な成果を残しました。
米国株の成長+円安のダブルメリットが活かせた結果です。
円高リスク!極端な円高になった場合のパフォーマンス
米国株ETFなど海外資産への長期投資では、「為替リスク」が運用成績に大きな影響を与えます。
ここでは、投資開始時のドル円レートが150円→その後ずっと80円で推移という極端な円高シナリオでリターンを計算しました。
【シミュレーション条件】
- 2011年10月20日終値:5.47ドル
- 100万円をドル転(150円)→約6,666ドル
- 購入できたSCHD株数:1,219株
- 配当・評価額とも全期間80円で円転
【2025年6月17日時点の成績】
- SCHD終値:26.72ドル
- 円転レート:80円(固定)
- 最終評価額(ドル換算):32,567.68ドル
- 最終評価額(円換算):2,606,025円
【円建てトータルリターン(2011/10/20〜2025/6/17)】
項目 | 金額 |
---|---|
初期投資額 | 1,000,000円 |
保有株数 | 1,219株 |
投資開始直後の評価損(為替損) | -466,667円 |
配当累計(円換算・80円で円転) | 748,508円 |
最終評価額(円換算・80円で円転) | 2,606,025円 |
トータルリターン(円換算) | 3,354,533円 |
実際のシミュレーションと比較して、円高(150円⇒80円)ではリターンが8,131,678円も低下する結果となりました。
ドル円レートが150円のときに買ったので保有する株数が減ったのと、投資直後の円高による為替損が原因です。
それでも、ドル円レートが150円から80円になるほぼありえない、極端な円高シナリオ下でも長期投資すれば投資元本は割れず、投資成績はプラスです。
米国株の成長力の強さが現れています。
まとめ|SCHDの円建て投資・為替リスクの教訓
- 米国高配当株ETF「SCHD」は、長期でみると高配当+株価成長が大きな魅力
- 為替リスクによって、円建てリターンは大きく変動する
- 円安ならリターンが大幅拡大、円高なら目減り(元本割れのリスクも)
- ただし、今回のシミュレーションでは極端な円高(150円⇒80円)でも長期投資でプラス圏を維持
今後も米国株・為替の両面に注目しつつ、無理のない範囲で長期投資を続けましょう。
為替リスクを抑えたい場合は、日本株ETFや円建ての投資信託を活用するのもおすすめです。


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