新NISAは、株式や投資信託の利益・配当が非課税になる魅力的な制度です。
「この制度を使って配当金だけで月10万円(年120万円)を受け取りたい」というのは、多くの投資家が一度は思い描く目標でしょう。
しかし、新NISAには年間投資上限や非課税枠の使い方に制約があります。
本記事では、必要資金の試算に加え、増配株・増配ETFを活用した現実的なシナリオも交えて、新NISAで月10万円の配当生活が可能かどうかを解説します。
結論:新NISA枠だけでは月10万円は難しいが、増配を活用すれば将来達成も可能
新NISAの非課税投資枠は以下のとおりです。
- つみたて投資枠:年間120万円
- 成長投資枠:年間240万円
- 生涯投資枠:最大1,800万円
配当金を受け取れる銘柄に投資できるのは、成長投資枠の最大1,200万円。
利回り4%で計算すると年間配当は約48万円(月4万円)にしかならず、新NISAだけで配当月10万円は不可能です。
しかし、長期的に高い増配率が続けば、非課税枠内でも月10万円の配当が狙える可能性があります。
新NISAで増配株ETF1494に投資した配当金シミュレーション
新NISAだけで月10万円の配当金を受け取るために注目すべきなのが「増配」です。
例として、当ブログでも保有しているETF 「One ETF 高配当日本株(1494)」 の分配金履歴を見てみましょう。
年度 | 分配金(円) |
---|---|
2018 | 425 |
2019 | 537 |
2020 | 567 |
2021 | 671 |
2022 | 686 |
2023 | 792 |
2024 | 1024 |
2018年から2024年までの6年間で、CAGR(複利平均成長率)は約15.78%という非常に高い増配率を記録しています。
【CAGRとは?】
年ごとのバラつきをならして「毎年一定割合で成長したと仮定した場合の年平均成長率」を示す指標。
このペースが続くと仮定すれば、配当額は加速度的に増えていきます。
シミュレーションの条件と結果
前提条件:
- 成長投資枠に毎年240万円を投資(5年で満額1,200万円)
- 取得時の利回りは3%
- 平均増配率(CAGR)15.78%で成長(1494に投資を想定)
この条件でシミュレーションすると、投資開始から約11年後に月10万円(年120万円)を突破します。
2025年スタートなら2035年に達成予定です。
年 | 投資元本(円) | 年間配当額(円) | 月額換算(円) |
---|---|---|---|
2025 | 2,400,000 | 83,362 | 6,947 |
2026 | 4,800,000 | 179,878 | 14,990 |
2027 | 7,200,000 | 291,624 | 24,302 |
2028 | 9,600,000 | 421,004 | 35,084 |
2029 | 12,000,000 | 570,800 | 47,567 |
2030 | 12,000,000 | 660,872 | 55,073 |
2031 | 12,000,000 | 765,158 | 63,763 |
2032 | 12,000,000 | 885,900 | 73,825 |
2033 | 12,000,000 | 1,025,694 | 85,475 |
2034 | 12,000,000 | 1,187,549 | 98,962 |
2035 | 12,000,000 | 1,374,944 | 114,579 |
もちろん、投資するのは1494である必要はありません。
長期で安定した配当金、増配をしている個別株や、米国株ETFも候補にあがります。


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いま自分が投資している銘柄、これから投資しようとしている銘柄の増配率を調べてシミュレーションすれば、将来的にどれだけの配当金が期待できるかが分かります。
増配株のシミュレーションをするには、大和アセットマネジメントが公開している「連続増配株シミュレータ―」が便利です。
増配株投資のメリットと注意点
メリット
- インフレに強く、購買力を維持しやすい
- 配当額が右肩上がりになり、生活設計がしやすい
注意点
- 増配率が将来も続く保証はない
- 為替や経済環境により一時的に減配の可能性もある
- 高増配率は一時的な場合もあり、過信は禁物
まとめ:新NISAだけで月10万円の配当金は難しいが、増配を味方にすれば近づける
新NISAの成長投資枠1,200万円だけでは、利回り4%でも月10万円は不可能です。
しかし、増配株や増配株ETFを活用し、長期で高い増配率が続けば将来的に目標達成も現実味を帯びます。
配当生活を目指すなら、「高配当 × 増配 × 長期投資」の3つを軸に、投資を早く始めることがカギです。
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