配当金投資といえば高配当株が定番ですが、もうひとつの選択肢としてREIT(リート)があります。
いまREITは過去10年で最高水準の分配金利回り&割安な価格水準です。
本記事では、J-REITに投資するメリット・リスクをデータでわかりやすく解説します。
REIT(リート)とは?
REIT(リート)は「Real Estate Investment Trust」の略称で、日本語では不動産投資信託と呼ばれる金融商品です。
簡単にいうと、多くの投資家から資金を集めて、オフィスビルや商業施設、マンションなど複数の不動産に投資し、その賃料収入や売却益を分配金として還元する仕組みとなっています。
なかでもJ-REITは「Japan」の頭文字を冠し、日本国内の不動産に投資するREITです。
- 少額から不動産投資ができる
-普通は何千万円も必要な不動産投資ですが、REITなら数万円から手軽に参加できます。 - 分配金(インカムゲイン)が得られる
-不動産の家賃収入などが原資となるため、比較的安定した分配金収入が期待できます。 - 複数の不動産に分散投資
-オフィス、住宅、物流施設、商業施設など様々な物件に投資しているので、リスクが分散されています。 - 証券取引所に上場している
-株式と同じように、証券会社の口座があれば、リアルタイムで売買ができます。
1.J-REITは高配当が魅力
J-REITの平均予想分配金利回りは5%超え(2025年6月時点)と、国内外の株式と比べても高水準です。

J-REITは利益の90%以上を分配することで法人税の優遇を受けられる仕組みです。
そのため、ほとんどの利益が分配金として投資家に還元され、高利回りにつながっています。
2.安定した分配金と増配実績
J-REITの分配金は安定しており、長期的には増配傾向が続いています。
たとえば、【1343】NEXT FUNDS 東証REIT指数連動型上場投信の分配金推移は以下のとおりです。
年度 | 分配金(1口あたり) | 増減率(前年比) |
---|---|---|
2024年 | 82.9円 | +10.5% |
2023年 | 75.0円 | +4.5% |
2022年 | 71.8円 | +1.8% |
2021年 | 70.5円 | -3.7% |
2020年 | 73.2円 | +6.4% |
2019年 | 68.8円 | +5.4% |
2018年 | 65.3円 | +6.2% |
2017年 | 61.5円 | +12.6% |
2016年 | 54.6円 | +5.4% |
2015年 | 51.8円 | – |
コロナの影響があったと考えられる2021年のみ減配していますが、平均すれば毎年5%以上の増配ペースです。
REITは株と同じく「インフレに強い資産」とされます。
インフレが進行すればREITの分配金の原資である賃料も上がり、今後の分配金増加も期待できます。
3.現在は割安な投資タイミング
J-REIT市場は、過去10年で見ても割安な水準にあります。
特に「NAV倍率」(純資産価値に対する価格の割安度を示す指標)は、コロナショック時の大暴落をも下回って、過去最低水準です。

「J-REITは安いから買い!」と単純には言い切れませんが、
- 金利上昇リスクはすでにある程度織り込まれている
- 想定外の暴落要因(パンデミックや大地震)が無ければ、さらなる大幅下落リスクは限定的
と、考えられます。
4. 分散投資・リスク軽減効果
REITと株式は「値動きが似ているので分散効果が薄い」と言われがちですが、暴落時の値動きに大きな差が出る場合があります。
たとえば直近で一番大きな暴落だった「トランプショック」では、
- 日経平均株価:最大下落率-23.55%
- J-REIT指数:最大下落率-6.33%
と、J-REITの下落幅は株式よりはるかに小さいものでした。

株式だけでなくREITも組み入れることで、資産全体のリスクを抑えることができます。
J-REIT投資の注意点・リスク
メリットだけでなく、J-REIT投資における注意点・リスクも押さえておきましょう。
- 金利上昇リスク
-資金調達コストの増加により、価格下落や収益悪化につながる場合があります。 - 不動産市況の悪化リスク
-空室の増加や賃料の下落が分配金に影響します。 - 災害リスク
-地震や火災など、物件自体のリスクも想定が必要です。 - リターンの低下
-歴史的に見て、株式ほどの価格上昇は見込めません。最終的なリターンは株式だけのポートフォリオと比べて劣る場合があります。
REITは「株式だけに資産を集中させるのは避けたい」「手軽に不動産投資を始めたい」「安定した分配金収入を得たい」という方に向いている一方で、上記リスクをしっかり理解した上で長期・分散投資を心掛けることが大切です。
まとめ|J-REITは「高配当」「割安」「分散」の三拍子!
- 高配当と安定した増配実績
- 現在は歴史的な割安水準
- 株とのリスク分散効果も期待できる
いまはJ-REIT投資を検討する絶好のタイミングと考えます。
リスクも理解したうえで、資産の一部をJ-REITに振り向けてみてはいかがでしょうか。
当ブログでも資産の分散と、分配金受取月の分散のために、【1476】iシェアーズ・コア Jリート ETFに投資しています。
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